自然と協調・調和し人間性・倫理性ある科学・技術の開拓とSTEAM人材育成を考え実践する   
 東京大学先端科学技術研究センター 神ア-生物知能研究室   
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教育・研究 理念

〜生物知能の研究:自然との協調・調和・共存〜
生物は自然との相互作用によりさまざまな能力を獲得してきました。このような能力は環境下でおこる複雑な課題を自然と協調しながら解決する方法を教えてくれます。AIをはじめとする人類が生んだ科学技術も重要ですが、生物本来がもつ解決法すなわち「生物知能」は自然と協調し共存する未来を築くためにはより重要となります。
私たちは地球上のあらゆる環境下で広く生息する昆虫に注目し、その行動を引き起こす感覚(センサ)や脳のしくみをタンパク質や神経細胞という要素から正確に再現することで理解し応用するあたらしい科学や技術の開拓を行っています。
なかでも、匂いを検出したり匂いの発生源を探し出すことは、現在の科学技術をもってしてもまだ解決されていない超難問です。一方で昆虫は数キロ離れた匂い、たとえばオスの蛾は雌の出すフェロモンの匂いを検出し見つけ出すことができるのです。昆虫の知能の解明は、科学ではまだ解けない課題の解決ばかりではなく、自然に優しく自然と協調しながら課題を解決する方法を教えてくれるのです。生物本来のもつ知能の研究は、人や生物そして地球環境に優しい新しい科学、地球の将来を考えた新しいものづくりの未来には必要不可欠なのです。

〜人間中心から自然中心への視座の転回:人間性と倫理性〜
これまでのような人間を自然から切り離し、自然を制御するという人間中心の考えから、人間も自然の一部であるという自然を中心とした視座の転回が、自然と共存した未来を築くためには重要となります。自然を中心とすることで生まれる多様性や包摂性さらには人間性や倫理性から科学・技術をみなおし、またSTEAM教育を通した真の人材育成に取り組む必要があります。その実践のため「先端アートデザイン分野」を先端研に設置し、科学者・芸術家・哲学者・宗教家など多様な背景の人々が一堂に会し対話を通して、人間性や倫理性ある1200年後の未来を考え実践する「高野山会議」を高野山金剛峯寺・高野山大学において毎年開催しています。

自然と協調・調和し人間性・倫理性ある科学・技術の開拓とSTEAM人材育成は喫緊の課題なのです。
詳細は「実施プロジェクト」をご覧ください。